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世界経済


オバマ米大統領は、退任するゼーリック世界銀行総裁の後継候補に、米ダートマス大学のジム・ヨン・キム総長を指名すると発表した。キム氏は韓国系米国人。感染病対策が専門分野で、世界保健機関(WHO)のエイズ撲滅運動や医療、公衆衛生の不平等解決のための活動で知られる。米国が推す世銀総裁候補としては極めて異例の経歴で、選出されれば世銀初のアジア系総裁となる。世銀は、世銀総裁選の立候補を締め切る。オバマ大統領は記者会見で、貧困の撲滅や開発支援は世界銀行が担う重大な役割だと述べ、キム氏は「最適な人材だ」と強調した。世銀総裁選にはナイジェリアのオコンジョイウェアラ財務相や、コロンビアのオカンポ元財務相も立候補する見通し。世銀の最大出資国で、歴代トップを独占してきた米国が推すキム氏が最有力候補で、これに世界経済での影響力拡大を狙った新興国勢が挑む構図となる。国際通貨基金(IMF)トップのラガルド専務理事は、北京でのフォーラムで講演し、世界経済について「われわれはなお危険地帯にある」としながらも、堅調な米経済などを挙げ「好転の兆しが出ている」と述べた。 ラガルド氏は原油高や新興国の景気減速などを世界経済のリスク要因として挙げ、中国にけん引役としての役割を期待。中国の優先課題は「成長を支えることだ」と述べ、景気対策を促した。李克強副首相もフォーラムで講演し、個人消費促進で内需拡大に努める方針を強調。「外国企業にも平等に商機を提供する」と述べ、市場開放を進める考えを示した。ラガルド氏は「われわれの金融システムはもろい」と述べ、国際金融システム改革の必要性を指摘。IMFの資金増強の有力な出資国と期待される中国で、李副首相や中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁らと相次ぎ会談した。


物価のコントロール


日銀が金融政策決定会合で導入した事実上のインフレ目標に対し、衆院予算委員会の質疑でも「インフレターゲットとどう違うのか」といった質問が相次いでいる。日銀はインフレターゲットを「物価上昇に関連付けて機械的な金融政策を運営する」手法と位置づけ、それとは異なった政策だと強調している。メキシコで開幕する20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で白川方明総裁は一連の金融政策をアピールし、デフレ克服に向けた姿勢を示すが、目標だけで物価誘導するのは難しい。一定の物価上昇率の目標を設定し、金融政策を運営するインフレ目標はニュージーランドや英国、韓国、カナダなど20カ国以上が採用している。特に英国やニュージーランドは目標を達成できないと、中銀が何らかの責任を負う厳格な仕組みを採用。「インフレターゲット」と呼ばれ、インフレ目標導入国の中でも手法が先鋭的だ。英国では、政府が物価目標を定め、英中銀のイングランド銀行(BOE)が目標達成のための金融政策を運営する。消費者物価の上昇率2%を中心に上下のぶれが1%を超えると、BOEは、その理由や対策などを財務相に報告する義務がある。1990年に世界で初めて導入したニュージーランドは、政府と中銀の協議でインフレ目標を決定し、目標達成ができない場合、財務相が中銀総裁を罷免できる規定がある。


プレステ3は10万円!


ミッキーとミニーがショーウインドーで満面の笑みを浮かべる。その脇に「パラ・マイアミ(マイアミ行き)」の2語。ブラジル・サンパウロの巨大ショッピングセンターにある旅行代理店を訪ねると、米フロリダ州のディズニーワールドの写真に出迎えられた。女性店員のレナン・ウズエレさんは海外旅行の7割はフロリダ。ディズニーと安い買い物が人気の理由ですと話す。ブラジルは有数の高物価国だ。ソニーのゲーム機「プレイステーション3」は日本の約2万5千円、米国の249ドル(約2万円)に対し1999レアル(約10万円)。米国でたくさん買い物すれば、内外価格差で航空運賃が浮く計算になる。なぜ高いのか。輸入品には高関税がかけられ工業製品税や流通サービス税など最低6種が課税される。通貨レアルは9月以降、ギリシャに端を発する欧州危機のあおりで急落しているものの、近年のレアル高傾向も物価高に拍車をかけた。他にも州税や連邦税、社会負担金など税金や納付金は56種。世界銀行によるとブラジルは「税処理に最も時間のかかる国」で、企業は年間2600時間もの時間を税処理に費やすとされる。日本の355時間と比べるとその差が際立つ。


ギリシャ


ギリシャの連立政権協議は、パプリアス大統領が、官僚や有識者ら政治家以外の実務者による内閣樹立の提案について、5政党の党首を集めて協力を要請したが、話し合いは決裂し、再選挙を行うことが確定した。世論調査では、再選挙でも財政緊縮策の反対勢力が優勢とみられている。再選挙後の組閣も難航する可能性があるほか、緊縮策反対の政権ができれば、欧州連合との再交渉などを巡ってさらに混乱は続く見通しだ。大統領と5党首の会談後、連立政権発足に前向きだった第3党・全ギリシャ社会主義運動のベニゼロス党首は何人かの党首は、政党間の争いしか考えていなかったと述べ、連立政権樹立に一貫して協力しなかった第2党・急進左派連合などを非難。第4党・独立ギリシャ人党のカメノス党首も話し合いにならなかったと、各党の溝が深かったことを認めた。再選挙後に政権を取ることが有力視されている急進左派は、ユーロ圏残留と緊縮策廃止の両立を主張しているが、EUが応じる可能性は少ない。


本屋大賞


本屋大賞は、書店員による草の根的な活動として03年に生まれた文学賞。著名な文学賞は選者が文学界の権威ばかりのなか、選者が本好きの代弁者ともいえる書店員という特性は画期的で、「読者の実感に近い文学賞」として人気と知名度を高めていった。初回は299人だった参加書店員も、第9回は560人とほぼ倍増している。大賞受賞作としては、第1回の博士の愛した数式、第4回の一瞬の風になれ、第7回の天地明察など、知る人ぞ知る作品を選出。ヒット連発の実績は、文学賞としての地位を確立させ、現場をよく知る書店員だから発掘できる良作の期待も高めていった。出版業界に詳しいフリーライターの永江朗氏は、人気投票という方式のため、最終候補がベストセラーに偏るのはしかたないと言う。多くの書店員が投票したということは、発行部数が多いからより多くの書店員の目に触れたということです。最近の文芸書は発行部数が3000部などということも少なくありませんが、3000部だと配本される書店は全国でもせいぜい500店程度にすぎません。